「お前はもう、卒業生」 親バト次の巣作り

   2025年3月22日(土)

早朝6時、やまんばが出て来た。「クーちゃん、ごめんね!」声を掛けると慌てた様子で駐車場に向かった。昨日ヒナが止まっていた木を見上げるとヒナは同じ所に止まっていた。すでにオジサンがエサの入った茶碗を木の下に置いていた。親バトを待っているのか飛ぼうとする気配もないんだ。

一時間位たった頃、ヒナは飛び立ち、昨日止まっていた高い電線に止まった。「そうそう、そこなら親バトの目に入るぞ!」・・・・・・一羽のハトがヒナの止まっている電線にやって来るとヒナと連れ立って前の家の二階のベランダに止まった。やまんばは一緒に飛び立って行くと喜んだのに親バトだけが飛び去ってしまった。

取り残されたヒナは庭に降りると物干し竿から低木へそして積み上げられた枯れ草の上に乗っかり何かしらついばみ始めた。「こんな無防備なヤツ僕、一発で仕留めてみせるよ。ヒナのヤツ昨日から何も食べていないんだ。」・・・このまま放置するわけには行かないとオジサンはヒナを連れ帰る事にした。

「親バトだと思えるハトが周りを飛び近くに止まったりするんだけど枝を加えてカシの木の茂みに入っていくんだ。もう、お前は卒業生ってことだな。自分で頑張りなさいってことなんだよ。父さんバトも母さんバトも次の巣作りに忙しいんだ。」

やまんばはこの家の人に庭に入って捕獲の許可をもらうとオジサンと慎重に作戦を練り、ヒナの周りにエサをまき、食べているところを網をかぶせ・・・「ヤッター‼捕獲に成功!」ヒナは無事帰って来た。

「見上げるとヒナは昨夜止まっていたところにいた。」

「ヒナは飛び立ち高い電線に止まった。」

「親バトは近くまで来るのだけれどヒナに寄り添おうとはしないんだ。」

「取り残されたヒナは二階のベランダから降りると物干しざおに止まった。」

「お前、無防備すぎるぞ!何か美味しい物でもあるのか?」

「お前、又、帰ってきたのか⁉」

『オジサンは散歩をしている近所の人からハトが死んでいたと聞き、エサを取れない未熟なヒナは餓死してしまうのだろうと心配したんだ。』

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