2025年1月19日(日)
次の日、やまんばはアライグマの入り込んだ倉庫に僕が帰って来るのか心配をしていた。案の定、僕はけものが入り込んで、アライグマの匂いのついた倉庫には戻る気がしなかった。サザンカの庭もお爺さんの部屋の前の通路もアライグマの匂いがプンプンするんだ。 『ここを出て行きたい気分だよ。』
僕はゲージの中にいたからアライグマと取っ組み合いをしたわけではないんだけど・・・いきなり獣のようなヤツが顔を出し入って来て、棚の上に上りガサゴソ食べ物を探しているんだ。チュールのケースや、パウチの箱が棚から落ちてきて・・・そこへやまんばが戸をしめたものだからヤツは暗闇の中で四転八倒した。『僕よりアライグマの方が僕の数倍怖かったかもしれないな。』・・・・・・
薄暗くんなってやまんばは帰らない僕を「クーちゃん!クーちゃん!」呼んで歩いていた。そして倉庫の前で座って待った。・・・・・・それからキッチンに立ってはやって来て「クーちゃん‼」僕の名前を呼んでは又、入って行った。
暗くなってもアライグマは現れなかった。・・・僕はお腹が空いてきたし、寒くて寝る所なんてありゃしない帰る事にした。やまんばが倉庫の前に立ってるのが見えた。僕は走って帰った。
「僕もアライグマも暗闇の中に姿はなかった。」
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『僕も怖かったけれどアライグマは僕よりも数倍怖かったのだろう。もう、捕獲されて命はないと思ったのかもしれないな。僕もヤツももう、コリゴリだった。』
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