やまんばの家に新しいエアコンが二台届いた。僕の庭は二台の室外機で一杯になった。お爺さんの部屋は45年前のものでキッチンは17年前のものなんだ。 お爺さんの部屋は全く使ってなかったし、キッチンは誤動作を始めていた。
お昼過ぎ、お兄さんが一人でやって来た。やまんばが「一人ですか?」聞くと「基本、一人です。」と言い切った。やまんばは驚いた。お爺さんの部屋の室外機は樫の木とバラの木の間にあり、ブロック塀の上から出し入れしなくてはならなかったし、 キッチンの室外機もお隣とのフェンスの上から出し入れしなければならないんだ。オジサンとは想像もつかない体の作りの人がやって来た。いでたちと言えば子供を一人負ぶっている程の工具を体にまとっているんだ。
まず、キッチンから作業を始めた。 コンちゃんはオジサンに現場監督を頼まれ、お兄さんのエアコンの取り外し、新しいエアコンの取付工事の一部始終を見守った。なんと手際のいい事!コンちゃんのヤツドリルの音に逃げ出すんだ。「しっかりしろよ!現場監督だろ!」室外機をフェンス越しに取り出す時、やまんばが手伝わせると声を掛けたけど、お兄さんは断った。凄い人がやって来たものだ。 それでもキッチンの作業が終わる頃にはお兄さんの顔も大粒の汗が流れ、顔も少し険しく見えた。
コンちゃんはキッチンの戸が開け離されているにもかかわらず外に出る事はなかった。お兄さんの渾身の作業はコンちゃんにも伝わっていた。コンちゃんオジサンの言いつけどうり最後まで見守った。
次はもっと大変なやまんばの背丈ほどもあるブロック塀越しの作業だ。お兄さんは休憩も取らず、手伝いも断り一気にやってのけた。二時間半足らずの仕事だった。「アッパレ‼」「お見事‼」
「お兄さん、あまり無理するなよ。体に掛けた負担は後からつけが回って来るんだ。・・・・やまんばがそう言っていた。」
お爺さんの部屋の室外機。ブロック塀はやまんばの背丈ほどある。
キッチンの室外機。室外機より高さのあるフェンスだ。
キッチンの現場風景
コンちゃんが現場監督を任された。
ドリルの音で逃げ出すコンちゃん「おい!現場監督しっかりしろよ!」
外に出ないで任務を果たすコンちゃん。
ヤッター‼完成‼
りょうちゃん、やまんばのベットでお昼寝。一瞬にして雑念が吹き飛んでしまった。凄い威力‼
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