「暑いよー!僕、どうにかなりそうだよ。やまんば、何してるんだ‼」
「クーちゃん!ごめーん!」11時頃になってやっとやまんばは現れた。僕はずっと倉庫に閉じ込められたままだったんだ。
やまんばはホースを持つと倉庫の周りやサザンカの庭に水を撒いて歩いた。木々にも水を撒き、雨が降ってるかのようにポタポタ水が落ちて来る。そして蚊取り線香をつけて、すだれを落とすと僕のゲージが開き僕は飛び降りた。
「フー‼蒸しダコになるところだったよ。」僕の体は熱くなっていた。やまんばも僕の体を触って驚いた。
僕は用意された朝ごはんも食べる気になれなかった。・・・・「あ~涼しい。」木々にまかれた水が風を冷たくして通り抜ける。
熱かった僕の体は少しづつ元に戻って行った。 それにブラッシングをしてもらうと、少し体が軽くなり風もよく通るんだ。
僕は朝ごはんが取れるほどに回復していた。 「クーちゃん、ごめんよ。」やまんばはしばらく僕の毛を逆撫でして風を通してくれた。今日は縁台の下の茂みの中で過ごす事にした。
「やまんば気を付けてくれ!猫だって熱中症になるんだ! 頼むよ!」
僕はこの中で蒸しダコになるところだったよ。 ここが僕のお家だよ。
僕の庭の一番涼しい場所。 いつもここで朝ごはん、ブラッシングをしてもらうんだ。
「コンちゃんはいいなー!クーラーの部屋でお昼寝か。」・・・・でも僕には自由がある。コンちゃんよりも数倍も外の世界を知り尽くしてるんだ。
「コンちゃん、目はしつっかり閉じて寝ろよ!」
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