やまんばが出て来ると僕はゲージの中からやまんばを上目づかいに睨み付けうなった。右往左往しながら何度も睨み付けうなった。「やまんばが寝ている間に侵入者があったんだ。だーれも気づかないで知らん顔して寝てるんだもの。ホントに大変だったんだ。」僕の怒りは治まらなかった。
「クーちゃん、何、怒ってんの?何か侵入者があったんだね。お腹の空いたヤツが来たんだ。ミケ?ガりコ?アライグマのアンちゃん?・・・・アンちゃんならすごい音を立てるだろうからお爺さんが気付くはずだ。キツネはクーちゃんに追われて逃げるような奴だし・・・・やはりミケかガりコ?かな」
僕はゲージが開くやいなや飛び降り、フェンスの辺りからサザンカの庭、匂いを嗅ぎまわり縄張りを点検をした。
僕は今日、偵察に出掛けるのをやめ縁台で過ごした。やまんばは侵入者は僕の手強いヤツだと思った。
二三日経ってやまんばは倉庫前でずり落ちてた猫砂を引き上げ、下にコップ一杯ほどのドライフードがこぼれているのを見つけた。僕の下のゲージに保管されてたフードの袋が引き裂かれていた。
ミケならゲージに手を突っ込んでフードの袋を裂きそうだな。
いや、よほどお腹の空いていたガりちゃんかもしれない。
いや、こんな豪快なことをやってのけるのはアライグマのアンちゃんかなー?
キツネだってキャットフードを食べに来るって言ってたし?
『クーちゃん、侵入者は誰? 教えて!』
コメント