2024年2月3日(土)
やまんばが現れた。僕が走って駆け寄るとやまんばの顔が急に曇った。もう、ゲージは開けはなたれていた。前々からお爺さんには『勝手に出さないで欲しい。』と頼んでいたんだ。知らないうちに僕が出されているのがイヤだった。「やまんばは僕を出す時、体調、顔色のチェック。それから出た後僕の行動を観察しているんだって。ヒェーッ!」とにかくお爺さんに無責任に僕を出してほしくなかった。「僕は嬉しい時もあるけどさ。」
やまんばは重い顔で朝ごはん、ブラッシング今日はしばらく抱っこもしてくれた。「やまんばはぶつける所のないいらだちと淋しかったんだ。」・・・僕は座布団の上で日向ぼっこをすると散歩に出掛けた。やまんばは花壇を耕した。
僕は散歩をしながら考えてた。「あんまりよくわかんないけどさ。終活を迎えてる夫婦は余計に嫌がっている事はしちゃあ駄目だよね。お互いに!・・・だいたい何十年と言い続けて来た事だろ。いい加減、堪忍袋の緒が切れるんだ。やまんばもお爺さんも熟年離婚ってよく耳にするだろう。気を付けるんだよ!」
今日は節分でやまんばはお爺さんに鬼になってもらおうと鬼のお面を買ってきていたのに「今年は豆まきの音が聞こえてこなかった。恵方巻もしなかったみたいなんだ。みんな楽しみにしてたのにさ! 今年はちらし寿司なんだって。」
・・・・・・やまんばもお爺さんの嫌がってる事を思い起してみた。
一つ ガスの火は消して離れる事
一つ 水道の蛇口はしっかり締める事
一つ 寝る前、フェンスを閉める事
一つ 通路に物を置かない事
一つ トイレの電気を消し忘れない事 以上 2024年 「この位ならやまんば出来そうじゃないか!」
2月8日 お爺さんに頼んだら、快く鬼になってくれたよ。
「落花生を撒こうと思ってたんだって!後で拾って食べれるし家にあったんだ。」
「りょうちゃん!歩けなくなるよ。ファンヒーターの前で寝てばかりじゃないか!」
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