2024年3月26日(火)
朝からひどい雨「あ~あ やまんばも今日は朝市に行けないな。 僕も今日は倉庫の中でいいや。」ゲージが開いてもハウスの中から出なかった。・・・
午後になってだんだん雨も小降りになりやんで来ると、やまんばはスーパーの朝市に出掛ける準備を始めた。
縁台を拭きクマさんハウスを置くと、僕をゲージから出して出掛けて行った。 風が強くてキャリーバッグも思うように動いてくれないんだ。やまんばはそれでも風に立ち向かいながら突き進んでいった。何しろ今日は野菜、肉、魚etcいろいろな物が安くて逃すわけには行かないんだって!
スーパーの前の交差点の信号まで来ると信号は『青』 『小走りで行けば渡れるぞ!』・・・停止線でウインカーを出して車が止まった。車は先に行こうと思えば行ってしまえたのにやまんばを待ってくれている。 やまんばは頭を下げて渡った。「誰だろう?親切に・・・」運転席は若いお兄さんだった。やまんばと同年代位の人ならともかくヤンキーのようなお兄さんだった。 こんな『老い』とは無関係な若い男の子が杖をついたおばあさんを気遣って渡り終えるまで待ってくれるんだ。やまんばはもう一度頭を下げた。
なんだか嬉しくなって強い風、寒さも吹っ飛んでしまったんだってさ!・・・「ヨーシ‼頑張って買い物しなくっちゃ!」やまんばの帰りは遅く僕はおじさんに倉庫に入れてもらった。
やまんばがオジサンの迎えで帰えって来るとキッチンからやまんばの得意気な声が聞こえて来る。・・・『ヤレヤレ・・・』
「りょうちゃん、年を取ると気遣いが嬉しいよね。」
雨あがりの次の日。「蝶々さん、見ーつけた! 何処かわかるかい。」
「ほら、ここだよ!」
「ヒヤシンスさん、とても鮮やかな色になったね。 雨の力ってすごいな。」
「ウサギさん、かくれんぼ!」
「みんな大きくなったわね。」
「チューリップも大きくなっただろ。」
「芝桜さんも明日には咲くかな?」
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