「竹やぶだぞ‼・・・(3)」竹の子まで頑張れよ!

   2024年5月14日(火)

快晴。天気予報どうり夏日だ!ゴミ出しにやって来たやまんばはカーディガンを一枚脱いだほどなんだ。偵察から帰った僕も倉庫の前の日陰でブラッシングをしてもらった。

そうそう虫くん達と言えば皆元気がないんだって。あれほど元気よく何度も脱走をしようと頑張っていたデカオも元気がないらしいんだ。やまんばはかわいそうになって来た。新しい竹の子を入れてやったけどむしゃむしゃ口を動かしている様子もないんだ。チビはもう、触れても動かなかった。『急を要する!早く竹やぶに返してやらないと!』やまんばはスーパーに出かける時に竹やぶに放してやる事にした。「それまで生きているんだぞ!」・・・

キッチンにやって来たオジサンが事態を察して即行車を出してくれた。やまんばはプラスチック容器を持って車から降りると『確かこの辺りに竹やぶがあったはずだ。』としばらく歩くと、竹やぶが見えた。やまんばが竹やぶを覗くと「あった‼」少し大きくなっているけど竹の子を見つけた。「あの竹の子にさばらせてやろう!」・・・竹やぶにはフェンスがあり、鍵がかかっていて入れなかった。「どうやって竹の子にさばらせよう!?」やまんばは困った。・・・

やまんばはプラスチック容器のふたを外して、石を拾って容器の角にはめると竹の子めがけて投げた。まあまあ近くに落ちた。「竹の子まで自力でたどり着くんだぞ!頑張れよ!」もう、天に任せるしかなかった。「昨日の元気のあるうちに連れて来てやれば良かった。・・・」やまんばは悔やんだ。

「みんな元気がないんだ。」

「竹やぶの空気、土の匂い、心地よい風、故郷の匂いだろ。元気になって竹の子までたどり着くんだぞ!」

「昨日はこんなにも脱走を繰り返そうとする元気があったのに・・・」

『やまんばは思った。こんな1~2㎝、数ミリほどの虫の中にも、人間と同じほど強い生命力がしくまれているんだ。生命力は全ての生き物に平等に与えられた力なんだと』・・・僕にもね

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