2024年12月10日(火)
「一緒に来たかったら八時に家を出るよ。」昨夜、カメラのおじさんがやまんばに念を押してる声が聞こえた。
夜が明けるとやまんばは、まだ暗いうちから何やら探し物をしたり、ゴミを出したり、僕の朝ごはんも済ませていた。お爺さんに「写真を撮りに連れていってもらう」と告げ、りょうちゃんの事をお願いすると、おじさんの車がやって来て出掛けて行った。
紅葉を撮るらしいけど『教林坊』やまんばは初めて耳にするんだ。「渓谷かなー?山かなー?」とにかくワクワク‼ 道中、庭園を撮ると聞き更にワクワクして来た。一時間半位車を走らせ『教林坊』駐車場に到着。車を降りるとゴツゴツした坂道、見上げる石段、杖をつくやまんばの足は早々に悲鳴をあげていた。
足を運ぶたび次々と変わる景色、紅葉の様は感動の連続で足の痛みを忘れさせてくれ耐える事が出来た。やまんばは杖を置いてはシャッターをきっていた。
紅葉なら何処でも撮れる。『教林坊』は紅葉を見に来るというより庭園一帯に敷き詰められた紅いじゅうたん、紅の空間を見ると言った方がいいかもしれないな。『さあ! ご覧あれ‼ やまんばの見た紅いじゅうたんを!・・・紅く染められた世界を!』・・・やまんば! ちょっと大げさだよ。上手く撮れたの?・・・う~ん?
「さあ! ここから庭園の中へ紅の世界をお楽しみ下さい。」
「まだまだ、あるよ。どうぞお付き合い下さい。」
「もう少しお付き合いくださいね。ここからは寺の中から外の景色を撮って見ました。」
「長い長いお付き合いありがとうございました。」
『紅く染めていたのはあなた達だったのね。 ありがとう!』
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