2025年3月12日(水)
外壁塗装の足場も取り外され職人さん達が帰った後、空気が一変した。今朝、いや先程まで目にしなかった一羽のヒナが側溝に落ちていた。「アイツだ‼ お前、上手く飛んで行ったんじゃなかったのか⁉」 元気に飛び立ったと思っていたはずのヒナの死だった。・・・・・・
アライグマか猫に襲われていればケガをしてるだろうけど傷なんかどこにも負ってないんだ。きっと巣に戻ろうとして外壁塗装工事のシートに入り込み出れなくなってしまってシートの中で死んでいたのだろう。・・・オジサンはそう言うんだ。・・・・・・ どんなにシートの中でもがいたことだろう。そのうち力尽きて動けなくなってしまったんだ。「ピーイ!ピーイ!」大きな声で鳴いて助けを求める気力もなく、シートの中では父さんバトも母さんバトも見えやしないもの。飲まず食わず息絶えてしまったんだ。・・・・・・
母さんバトはヒナの死を目にしただろうか? やまんばは母さんバトや父さんバトには目にしてほしくなかった。 やまんばもオジサンも口数も少なくなり元気がないんだ。 『しっかりしてよー! 僕を早く倉庫から出してよ―‼』
「ヒナは巣に帰ろうとしてシートの中に入り込んでしまったのだろう。未熟なヒナは飛び出ることが出来なかったんだ。」

『なんて言ったらいいんだ。僕もかける言葉が浮かばないんだ。・・・ アイツだけは飛べるようにして母さんバトに返してやってよね。頼んだよ!』
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