見なくなったヒナ「たまには顔を出すんだぞ」

お爺さんが「鳩が鳴いてるぞ!」叫んだやまんばは此のところヒナの姿を見てなくて、どうしたのか心配してたものだから直ぐパソコンの手を止め、ツッカケを引っかけると外に出た。鳩の声のする方へと歩くけれど見当たらない。

しばらくしてお爺さんが散歩に出掛けると、「アパートの傍の電線に止まってるぞ!早く早く!」と急き立てる。やまんばもヒナの元気な姿を見たくて飛び出して来た。急いで行ってみるとアパートの前の電線にヒナが止まっているのが見えた。

「おーい!鳩さーん!」見上げて声を掛けた。  「クック—。クックー。クックー。」又、鳴き出した。やまんばはヒナに手を振った。  ヒナは飛び立ち、やまんばのはす向かいの家のアンテナに止まった。近くまで帰ってきた。
「おーい!お前元気にしてたのか?!  たまには顔を出すんだぞ!」

「お花がふえたね。」

「ほら、パンジーもこんなに沢山咲いたよ。」

「つる紫。君は毎年、元気一杯だね。」

近所の奥さんに頂いたよ。今年は紫色で珍しいんだって!いつもはピンク色。

「りょうちゃん、何を考えてるの?」

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