『 事件 』  最悪な日曜日・・・  消えたヒナ

   2026年3月22日(日)

「今日、僕、うちに帰れないや・・・ハトのヒナをしとめたんだ。大きな物音に驚いているやまんばの側を僕はハトのヒナを咥えて通りかかろうとした。・・・やまんばは「クーちゃん、やめてー‼」叫んで僕を捕まえようとして、尻もちをついてひっくり返ってしまった。僕は慌てて咥えていたヒナを落としてしまった。  ヒナはしばらくもがいていたけど動かなくなってしまった。  僕から取り返したところでもう、遅かった。

やまんばはすぐさまオジサンを呼んだ。「 クーちゃんがヒナを咥えたよー❕ 」オジサンがやって来ると「なんで見とらんの! なんで音がした時に直ぐに見に行かんの!』やまんばが責められてるんだ。

昨年も鳩のヒナが命を落としているんだ。去年は僕じゃないよ。ミケのやつなんだ。だから巣のある木にはトゲのあるプラスチックが貼り付けられて、ブロック塀の上にも敷かれてあったんだ。・・・だからやまんばは、まさか僕が巣に上って行くなんて思ってもいなかったんだ。  フェンスの前の通りにはヒナの羽根が散乱していた。「あの大きな物音は何だったのかな~?」・・・ やまんばはあんなに大きな音がしたのにプランターが落ちてないのを不思議に思った。・・・やまんばは家に入り遅い朝食を取ると気を取り直して花壇にアリッサムを植え始めた。

僕に言わせると、僕は優秀な狩猟の血が流れているんだ!やまんば知ってるだろ。それに毎年のように事件が起きてるんだ。僕のなわばりなんだよ!こんな所に巣を作って子育てをしてもらっちゃ困るんだよな。やまんばもそう思わないかい。

あの大きな物音は僕が室外機の上に飛び降りた時の音なんだ。僕は上手くトゲのないところに飛び上がりなんとか巣に近ずくとヒナのやつまだ飛べもしないのに巣から飛び出して道路に落下したんだ。僕はすかさずブロック塀から室外機の上に飛び降りた。やまんばが聞いた大きな物音はその時の音なんだ。・・・僕は道路に落下したまだ飛べないヒナを咥えた。

獲物をしとめたお手柄をやまんばに見せようとやまんばの前を通りかかったものだから『 事件 』になってしまったというわけさ。  僕の中に流れている狩猟の血は僕にもどうしようもできないんだ。 僕をそんなに悪党呼ばわりしないでよ・・・

数日、家の周りで親バトが二羽、急に姿を消したヒナを探して鳴いているんだ。       『 かんにな・・・ 』

  

 

 

 『 ハトの巣からヒナの姿が消えてしまった。 』

『 親バトは急にいなくなったヒナを毎日探しに来ては呼んだ。 』

『 親バトは代わる代わる来ては卵を温めていたんだ。 』

 『 そろそろ卵が返るころだぞ。・・・僕たちはヒナが返り、まだ飛べないところを狙うんだ! 』   オジサンは頃合いをみはからってトゲトゲシートを取り付けていたんだけど・・・

・・・あれから一週間もたった頃、諦めたのか僕のなわばりで親バトの鳴き声がしなくなった。・・・

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次