オジサンが二階から「クーちゃんの鳴き声がしとるよ!喧嘩じゃないの?!」キッチンに駆け込んで来た。「どこで?!」「西の方角だ!」 やまんばはツッカケを引っかけ玄関を出た。
「クーちゃん、クーちゃん!」やまんばの呼ぶ声がする。僕たちの喧嘩は一旦治まった。 やまんばも家に帰った。…
又、叫び声がした。「やまんばはいつも『喧嘩しちゃダメだよ。』って言ってるな。」やまんばの足音がだんだん近くなってくる。・・・・・僕達は西のけもの道を三軒目と四軒目の家の隙間で喧嘩になっていたんだ。
「 やまんばだ‼ 」「クーちゃん、ダメだよ。喧嘩しちゃ! モフちゃん早く行きな!」
モフ子は僕がやまんばに気を取られている隙に向かいのマンションの車の中に姿を隠した。 追いかけようとする僕をやまんばは杖で阻んだ。 「クーちゃん、帰ろう。早く!」やまんばは急き立てるけど、僕の気は治まらなくて付いて帰る訳には行かなかった。・・・・・「モフちゃんがいけないんだ。ここら辺は僕の縄張りなのに後からやって来たくせに、よーくウロウロしてるのに出くわすんだ。」・・・・・・・
「モフちゃん、良く元気でいたね。 もうひと頑張りだよ。春になるから。」 「ええーっ‼」モフ子のヤツ夜になっても僕の家の周りを泣きながらウロウロしているんだ。 「やまんばを呼んでいるのかな? お腹が空いているのかな? 僕の知ったこっちゃないや。もう寝よっと!」
僕たちのこの無防備な寝顔・・・・・りょうちゃん
亡き タラちゃん
コンちゃん
ミーちゃん
僕、クーちゃん
『モフ子やキツネはこんな無防備で安らかな眠りは出来ないんだ。僕、ちょっとだけ可哀そうになってきちゃった。』
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