侵入者(2)「怖くて散歩にも行けないや・・・」

やまんばが玄関を出るとゲージの踏み台にしていたゴミ箱が倒れ掛かって板が外れていた。 侵入者があったんだ。
ゲージが開き僕は飛び出した。「 僕は夕べ寝てないんだ。」外のゲージでガサガサ音がしていたんだ。

「今日は風があるけど寒くないからいいや。」グレーがかった空から時おり、陽ざしが射しこんで来る。

ブラッシングの後、やまんばが猫じゃらしを振り回し僕を誘ったけど、向かいの家の庭がどうも気になって集中出来ないんだ。 僕はずっと目を凝らして向かいの庭から目を離せなかった。

僕は縁台でくつろぐ気にもなれず、ダンボール箱の影から向かいの庭をにらみつけていた。 フェンスから出る気もしなくて 今日は偵察もよした。
やまんばは侵入者はモフ子ではなく、もっともっと強いヤツだと思った。
 やまんばは縁台の上にクマさんハウスを置いてくれた。僕はハウスにもぐり込み身を潜めた。

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